●鳴子周辺の温泉調査-1 2020.11.23  合宿3日目(最終日)

こう見えて鳴子はバリバリの新参者です。
11/23(月)祝日 晴れ時々曇り

朝食

旅館 勘七湯を少し早めにチェックアウト。

移動

本日は<奥の院地獄地帯の調査>です。
0915 地獄の分岐点に駐車し着替え準備を整え出発!

0930 入口手前の広場に停車、地上部隊を投入。活動開始。


片山地獄の地熱開発の高いリグは見える範囲で2機が稼動中。
掘削は24時間体制か。刺激を避け大深沢の脇モノは一旦やり過ごし
素早く本陣を目指す。
 

0950 地獄地帯に突入。
<奥の院地獄地帯>
沢水下部ネガコン
(20.3℃ pH2.34 EC3.10)
入口付近でこの値、期待できる。

○ 入口左岸 鉄系びろびろ
 15.2℃ pH3.37 EC1.09
無色透明微鉄味微鉄臭
地獄の前段階で挨拶に現れた究極の雑魚キャラドラキー。

○ 硫黄冷鉱泉系汁溜まり
 10.8℃ pH2.50 EC1.53
無色透明酸味弱硫化水素臭
ペース配分が掴めればヤレる代物。

○ 硫黄冷鉱泉系汁砂場から流れ
 11.2℃ pH1.97 EC7.61
無色透明強烈酸味弱硫化水素臭

○ 上部から流れ込み冷酸性水系
7.4℃ pH2.00 EC6.22
無色透明強酸味無臭

○ 枯草地帯染み出し冷酸性水系
(1) 11.1℃ pH2.36 EC1.72
無色透明酸味無臭

○ 上部から流れ込み苔付 冷酸性水系
(2) 13.2℃ pH2.21 EC2.66
無色透明酸味無臭

このサンプル後、沢の泥地に両足膝下まで見事にズボる。
地獄はまだ序の口程度なのに、いきなりキツイデットボールを食らった。
温度が無かったのが救いだが、沸騰水だったら全治3ヶ月程の大ヤケドになっていただろう。
一気に及び腰になる。じろさんはマイペースで独自に確保して行きます。
奥の院とんでもなく手強い所だぜ。
勉強点として地獄帯の調査は長靴が最良のタイヤ選択と実感した。

 スボりの記撮

沢水ネガコン
(32.2℃ pH2.12 EC3.35)

○ 上部から流れ込み落ち松 冷酸性水系
10.5℃ pH2.01 EC4.54
無色透明強酸味なんとなく薬品臭



○ 露天横のマッドスポット
  60℃以上 pH- EC-
灰色泥状態-味焦げ尿臭   気味悪い。
はいペットボトル〜渡し、気合いマンマンのじろさんに確保してもらった。
※マッドスポット右側の斜面上部は活動が停止している地獄帯跡がある。汁気なし。
泥汁は自宅でとても重宝されました。超微粒分でさらさら感が1週間程維持される。

おっ、奥の院の目玉的存在の露天
○ 湯だまり2段露天 先人の作品
  35.5℃ pH2.09 EC3.26
薄いうぐいす色濁り酸味微焦げ硫黄臭 ツルサラ感
ゆったり浸かれる温度だし、ズボって心折れ、ここでもーいーゃ状態になり、先の調査はじろさん任せた。

 ウトウトしながら野湯の良さを五感で体感しながら浸かった。

風呂から上がると、まだじろさんが見える所にいたので、しゃーない。

やっぱし上部は気になるよな。
中間の汲み汲みはパスし安全ルートで追随することに
じろさんと合流

○ 硫黄汁小川
 33.4℃ pH2.44 EC1.55
無色透明酸味微焦げ硫黄臭



○ ミニ小川酸性汁
19.6℃ pH2.86 EC1.31
無色透明弱酸味無臭

○ 上部土類系沢汁
 42.5℃ pH2.71 EC1.96
カーキ色濁り硬水味的焦げ硫黄便所臭MIX (匂いは周辺に充満していて感覚はブレている)
頑張れば上部でも野湯作品は作れたが、地獄の深さが判らず先を急いだ。
一度場を踏めば勘は養われるので、万が一再調査する事になったら
上部でも一つオリジナル作品を作りたいと思った。
誰か興味ある方がいましたら一緒に野湯を作りましょう。

○ 最上部噴気地帯の汁
  48.9℃ pH2.50 EC1.82
灰色泥濁り泥味無臭
怖くて踏み込めない、じろさんのガッツ取りを貰う。

○ 弱い活動のマッドスポットおこぼれ
 49.5℃ pH2.25 EC2.12
灰色泥濁り泥味無臭

 
上部クレータ噴気帯、命掛けでやったら20〜30本は稼げそうな勢いがあります。
竿付きバケツだったら安全に10本はイケるかも。
自分は絶対にやーょ。
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藪を掻き分け湯煙りが見えた隣の沢へスライド移動。


軽く昼飯


ヤバい !相当奥が深い、当初の予定をスッパリ諦め地獄と心中で腹を括る。
事前情報をくれた天ちゃんごめんなさい。確保は相当後になりそうです。

○ 湯だまり 酸性水
 20.2℃ pH2.46 EC2.29
無色透明酸味無臭
最上部に目につく汁気なし。

降下しながら


○ 血の沢 土類系汁赤鉄色のライン。
 39.8℃ pH2.91 EC1.45
無色透明硬水+Mg混じり味弱鉄臭
飼い猫状態。おら手前で確保、湯口ではもっと熱汁が出ている。
溜まりがあればヤレるアビスポと思うが蒸気が激しくビジュアルはイマイチかな、
細かい脇汁はパスした。

× 通過点にダブルマッドスポット
  迫力満点。記撮ポイントだったかも・・・
高温で浸かれないと判ったらとっとと流す。ノーサンプル値N/A。

○ 横のクサレ硫黄汁
 32.2℃ pH2.09 EC4.55
無色透明強酸味微焦げ硫黄臭
じろさん軽く踝までズボる。こんなところでもかよ・・・おー怖い。

○ やや下流のクサレ硫黄汁@
39.4℃ pH2.26 EC2.72
無色透明強酸味微焦げ硫黄臭

○ やや下流のクサレ硫黄汁A
46.4℃ pH2.21 EC2.40
無色透明強酸味微焦げ硫黄臭
見た目のエネルギーはあんま感じないけど、温度はしっかり付いて来ている。
くされ汁を汲まないでどうせならダブルマッドを汲めば良かったと少し反省。

勘では硫化水素ガスは殆ど放出しておらず、水蒸気放出が多い空間と読んでいたが
始めの両足ズボが堪えつつ
最大の消極的原因としてガスセンサーが電池切れで動いていなかった事が大きい。
レーダの役目を果たしているが肝心な時に目も奪われている。
自分にとってガスセンサーの依存度が大きい事が判った。
是正し次回に繋げて行かなければ・・・と大いに反省した。
(日常生活でマスクは着けないのに、ここでは大半マスクを付けて活動していた。
コロナは全く怖くないが、本気で迫る地獄はマジ怖いです)

降りて隣の沢をみると
なんと、また上部に湯煙り・・・行くしかない。
湯煙りを目標に沢を登る。体力的にはまだ元気が救い。
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○ 酸性汁もと
 60℃以上 pH1.69 EC3.84 
無色透明強烈レモン味微焦げ硫黄臭
隣の沢より解放感があり、ここいらで心理的には少し地獄慣れしてきている。

○ 噴気帯ちょろ汁
36.2℃ pH1.66 EC6.91
無色透明強烈レモン味焦げ硫黄臭

○ はぐれスライム マッドスポット ボスキャラ
  49.1℃ pH2.04 EC1.63
一筋の明るい泥汁に導かれ追ったら。いたいた! その像はまさしくはぐれスライム。 ブスブス。

 
じろさん気合いのガッツ取り。はいペットボトル〜で頂く。
程よい溜まり、場所を選べは浸かれたのかな。いやいや、底は激熱だよな。

○ 下部で脇のおこぼれ酸性汁
  60℃以上 pH2.36 EC1.20
無色透明強烈レモン味焦げ硫黄臭


周回の地獄めぐりが終わって広場に戻る。
しかし、しかしここが手強い足場ふわふわ。
なんも無さそうな所で、じろさん軽く踏み抜く、勘弁して下さい。

 地雷原ならぬボッケ原地帯で一歩が踏み出せない。
広場より沢の方が安全と考え慎重に沢に下りると
ご褒美の露天が・・・

○ 打たせ露天
  32.7℃ pH2.12 EC1.92
薄い灰色濁り酸味焦げ硫黄臭 ツルサラ感め

 恐怖感が抜け全て笑いに代わる。
底からも湧き当たり所が悪いと尻が熱い。
浸かった事で終わり良ければ全て良しの気分に。浸かれ浸かれの後押しに感謝。

○ 行きに取りこぼした冷酸性硫黄汁
 11.2℃ pH2.38 EC1.52
無色透明強酸味微硫黄臭


1520 地獄帯脱出

 


1540 置き場着 滞在時間≒6時間
1555 地獄の分岐点着 着替えて終了。
総評として奥の院地獄は非常に活発、確かに熱源をぶん取りたくもなるわ。
後日確認した文献では放出の80〜90%がやはり水蒸気成分であった。
現場では緑抜け部分は噴気帯の周辺に限定されており、外れると草木が茂っていた。
奥の院地獄帯調査も終わってみれば楽しいところだった。また行きたいとも思っている。
長靴の存在はとても重要。
真剣に汲み汲みしたら、ここだけで50-70前後は稼げそう。
片山地獄もこの目に収めたいと言うモチベーションも湧き立って来たが
それより赤湯又沢への闘志がメラメラと噴出、今年の目標が出来た。頑張りましょう。



鳴子温泉まで移動
鳴子温泉郷ガイドマップを参考に選択。
清めの湯
○ 東鳴子温泉 久田旅館  500円 (大崎市鳴子温泉久田)


・露天
源泉名 久田1号 
含S-Na-塩化物・炭酸水素塩泉 総計 2934.0mg/kg 平成18年
  40.1℃ pH7.10 EC1.88
無色透明微塩味硫黄>アブラ+Mix便所?何かの食べ物臭だがピンで思い出せない。ツル感。

・内湯
源泉名 久田2号
Na-炭酸水素塩泉  総計 1285.2mg/kg  令和元年
  44.5℃ pH6.97 EC1.20
微黄色透明無味微鉱物臭 ツル感
ここも2源泉運用かよ。完全なトリガーとなり、毎年の鳴子攻めを決定付けた。
イメージは塩原的感覚でしょうか。宿個々に個性のある湯が注がれている事はとても魅力的です。
合宿3日目も無事終了。
じろさんには宿の予約プランニングなど、色々と準備に時間を割いて頂きありがとう御座いました。

飯場なく池月駅で解散。
単独で夜飯、東北道大崎ICでイン、一気で帰路に着く≒440km


                                        2021.01.11 アップデート
                                        2021.01.16 一部修正、追記


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